2021年 4月5日

高校のころの自分。偏屈そうな中年英語教師が赴任してきて、妙にその教員に気に入られてしまって困った、という夢を見て、目が覚めた。

 

昨日のバイト疲れが残っていて、外に出かける気にもならず、ダラダラと本を読んで一日を過ごした。沼野充義による『新訳 チェーホフ短編集』を読み始めた。チェーホフが素晴らしいのは言うまでもないが、各小説ごとに付いている、沼野氏の丁寧で過不足ない、ユーモラスな解説が好ましく、ありがたい。

 

ダラダラ読んでるとはいえ、本を読んでいると疲れがくる。いつもは読書休憩にTwitterなどをみるが、今日はスピッツを聴いていた。あらためて、その楽曲のバラエティ、クオリティに驚く。30年以上名曲を生み出している日本のバンドは、僕の中ではスピッツだけだ。

 

自分が音楽を意識的に聴き始めたのは小学校高学年で、JUDY AND MARYZARDから入った。中学にあがってビートルズを聴いて、それからはストーンズ、ディラン、ヘンドリックス、ツェッペリンと60年代以降のロックを順に聴いていったり、マイルス・デイヴィスビル・エヴァンスセロニアス・モンクウェス・モンゴメリージョー・パスといったジャズやリターン・トゥ・フォーエバー、マハヴィシュヌオーケストラといったフュージョンなんか聴いていた。

 

あの頃は変に尖って、というかひねくれていて、邦楽はクソだ、という立場を示していた。元々JUDY AND MARYZARDが好きだったんだから、邦楽も嫌いではなかったはずなのに、やたらと邦楽、たとえば当時流行っていたbacknumberやワンオクなんかを口に出して小馬鹿にしていた。

 

高校に入って、星野源『恋』を聴いたことをきっかけにまた邦楽を聴き始めた。『恋』からは当時好きだった、70年代、80年代のアメリカのブラックミュージックのエッセンスを多分に感じた。それからはサカナクション小沢健二フジファブリックJUDY AND MARYゲスの極み乙女indigo la Endaiko川本真琴ユーミン山下達郎森田童子中島みゆきBUMP OF CHICKENと色々な邦楽アーティストを好きになって、ある時期は週一以上のペースでカラオケに行って歌っていたと思う。当時の十八番を思い出すと、サカナクション『ナイトフィッシングイズグッド』、小沢健二今夜はブギーバック』、フジファブリック『茜色の夕日』、JUDY AND MARY『ラッキープール』、川本真琴『二分の一』、中島みゆき『空と君のあいだに』、BUMP OF CHICKEN『カルマ』がある。スピッツもそうやって高校の頃初めて好きになったアーティストで、意識的に聴いたのは部活動だった。

 

音楽系の部活をやっていて、課題曲でスピッツの『空も飛べるはず』を弾いた。オーケストラでの歌無しの演奏だったが、調べると歌詞がとても面白いと分かった。「隠したナイフが似合わない僕を おどけた歌でなぐさめた」という所がナイーブでよく響いたし、「ゴミできらめく世界が 僕たちを拒んでもずっとそばで笑っていてほしい」なんて、ひねくれていて最高に良い。約2年半演奏した曲で、僕たちの十八番だった。今も『空も飛べるはず』をきいて、「君と出会った奇跡がこの胸にあふれてる」という歌詞にさしかかるとあの頃を思い出す。

 

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