2021年 6月20日

夜原稿を書き始めたが、全く進まなかった。『カインの末裔』は有島武郎の代表作だが、実はあまり好きではない。有島なら有名な『生まれ出づる悩み』や『小さき者へ』、評論が好きだ。

 

有島を読み始めたのは一年の冬。当時近代文学の授業を担当していた先生が有島武郎研究会に誘ってくださり、当時『在野研究ビギナーズ』が愛読書だった僕は、荒木優太さんが来るときいて行くことにした。勿論、近代文学をやろうとは考えていたから有島武郎という固有名詞に関心はあった。

 

研究会の一週間くらい前に、新宿の紀伊国屋新潮文庫『小さき~』と岩波文庫一房の葡萄他』を買って読んだ。『小さき』と『生まれいづる』を読み、その独特で力強い文体(のちにそれが欧文脈だと比較文学の授業で知った)にいままでないものを感じた。

 

研究会では、ニーチェと有島の比較研究があり、(偉そうだけど)「有島すこしおもしろいかも」と気になる作家になっていった。

 

再び有島を読み始めたのは、二年の夏。荒木優太さんが岩波新書で有島の新書をだすときいて、一度腰を据えて読もうと、読みはじめた。某研究書を買い、そこで論じられている十数編を読んだ。その中には彼の代表作『惜しみなく愛は奪う』『或る女』もあった。そして、その後出た荒木さんの『有島武郎 地人論の最果てに』を読んで、白樺派のゼミに入ることを決心したのだった。